---03/05/10 (土) ---
 
インドの軍事パレーでの「アグニ2」ミサイルを搭載した軍のトラック(AFP)
<インド>核搭載可能な中距離ミサイル配備 パキスタン刺激か
 インドPTI通信などによると、同国のフェルナンデス国防相は7日、国会で演説し、核兵器搭載可能な国産中距離ミサイル「アグニ1」と「アグニ2」を、今年中に実戦配備することを明らかにした。パキスタンとの関係改善の動きが進むなかで、パキスタンの都市を直撃できるミサイルの実戦配備は、同国を強く刺激しそうだ。

 アグニ・ミサイル(射程2500キロ)はインド極東、アッサム州の北東辺境特別区マルチャナルプラデシュに配備され、北の中国、西のパキスタンにそれぞれ狙いを定めている。仮にこれをパキスタンが迎え撃つとして、配備済みの射程300キロの「ハトフ2」では太刀打ち出来ない。少なくとも射程2000キロ以上はないとアグニのあるアッサム州には到達しない。ここでパキスタンとは友好関係にある中国の出番となる。すでに中国はインドのアグニ・ミサイルに対抗して、「東風-3」と呼ばれる射程2800キロの中距離弾道ミサイル「DF-3A」が50基実戦配備されている。「DF-3A」は射程2650キロの「DF‐3」の改良型で、実際にパキスタンが中国産のミサイルを配備するとなれば「DF-3」の公算が大きい。今年3月26日にはインド東部のオリッサ州で核弾頭搭載可能なプリトヴィ・ミサイルの発射実験を行っているが、このミサイルはオリッサ州から1500キロ隔てたパキスタンまでは到達しないはずだ。インドは「アグニ2」の改良型「アグニ3」も完成しており、これは射程3500キロもある。今回のインドのアグニ・ミサイルの実戦配備によって、パキスタンが中国に助けを求めるのは時間の問題だと思われる。
 
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