---03/04/26 (土) ---
ロートレック
(Henri de Toulouse-Lautrec アンリ=ド=トゥールーズ―)フランスの画家。貴族出身。下半身発育不全であった。パリのモンマルトルに住みつき、ドガや印象派、日本の浮世絵版画の影響を受けつつ、独自の画風で酒場・キャバレー・娼家の風俗を描いた。(一八六四〜一九〇一)
深夜のテレビでロートレックの特集をやっていた。「人間は醜い、しかし人生は美しい」が彼の口癖だったというが、自分を振り返っても「確かに」と思う。最後には娼婦ばかりを描きながら、彼女たちの虚飾とは無縁な生活の中に人間本来の生き方を見ていたのだろう。ドストエフスキー「罪と罰」の聖なる娼婦ソーニャを思い出した。世間で虐げられ蔑まされた人々の心に真実と美しさをみる・・・これは新約聖書の聖女マグダラのマリアに通じるものを感じる。彼女もまた遊女として世間からは蔑まされていたが、イエスの足に接吻し香油を塗って改心したとされている。神の視線に差別はない。今の貧乏生活にも感じる差別のこと、もっと深いところで思索してみたい問題だ。今日は何故か考えがまとまらない。眠りだけが休息であるかのような無力感、雨が鬱陶しい。
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