---03/04/17 (木) ---
フセイン大統領の異父弟・イブラヒム元内相逮捕か
 ロイター通信は13日、米政府当局者の話として、フセイン大統領の異父弟、ワトバン・イブラヒム元内相が同日、米軍に逮捕されたと伝えた。同元内相は、米英軍が指名手配していた55人の1人で、逮捕者が伝えられたのは初めて。 イブラヒム元内相は、イラク北部の要衝モスルの北西から、隣接するシリアに逃げ込もうとして捕まった。米軍は、フセイン大統領の家族や政権幹部がシリアに逃亡するのを懸念し、特殊部隊をイラクのシリア国境付近に配備して監視の目を光らせている。同元内相は「イブラヒム三兄弟」と呼ばれるフセイン大統領の異父弟3人の2番目。兄のバルザン・イブラヒム元ジュネーブ国連代表部大使は11日、バグダッド近郊の自宅が空爆され、死亡したと伝えられた。

 イブラヒム三兄弟とはフセイン大統領の母方の親戚で、実母スブハ・タルファとその再婚相手イブラヒム・ハッサンの間に生まれた兄弟のことを指す。長男サバウィは1989年からムハバラート(秘密警察)長官に就任、空爆で死んだとされる次男バルザンは1989年からジュネーブ大使となった元国家情報局長官、そして今回逮捕された三男ワトバンは1991年に内相となり、1995年に解任させられている。フセイン大統領の長男ウダイの二番目の妻は、イブラヒム三兄弟の次男バルザンの娘だ。その先妻は革命評議委員会副議長イザト・イブラヒムの娘であった。
 昨日はフセイン大統領の第1夫人サジダ・ハイララがロシアに逃亡したらしいとのニュースが伝えられた。サジダはフセイン大統領の叔父にあたるハイララ・タルファの娘で、つまりフセインは従妹を自分の妻としていた。そのハイララ・タルファは、フセイン大統領の実母スブハ・タルファの兄だ。イラク戦争最後の攻防戦が行われたフセイン大統領の出生地ティクリットは、その出身者を「タクリティ」と呼び、彼らタクリティ閥はフセインの家系のように近親者による婚姻で結束を固めている。今回逮捕されたとされるワトバン・イブラヒムはフセインの海外資産を管理している人物で、これからアメリカ政府の執拗な尋問が予想されるだろう。そのワトバンにして義妹トゥヤラを妻としている。
サバウィ・イブラヒム
バルザン・イブラヒム
イブラヒム・ハッサン
ワトバン・イブラヒム
スブハ・タルファ ウダイ
再婚 サダム・フセイン クサイ
モハメド・アハメド
ラガド
ハイララ・タルファ サジダ・ハイララ
ラナ
ハラ

 

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