<対イラク>米英軍の攻撃いつ、世界が注視 「期限前」予測も
【ワシントン河野俊史】ブッシュ米大統領による対イラク最後通告の期限が19日午後8時(日本時間20日午前10時)に迫る中で、米英軍の動きを世界中が注視している。早ければ現地時間20日午前4時の「デッドライン」から間髪を入れずに軍事行動が始まるとの観測がある一方、湾岸戦争(91年)と同様に1〜2日程度の間を置くとの見方も強い。
ブッシュ大統領は「望みどおりの時間に攻撃は可能」と含みを持たせており、作戦行動上の都合やイラク側の対応次第でなお流動的だ。攻撃は「衝撃と畏怖」と称される約3000発の精密誘導爆弾や巡航ミサイルの集中攻撃で始まり、米英軍がクウェートから速やかに南部の港湾都市バスラを制圧、港湾施設や油田の安全を確保する見通しだ。
湾岸戦争の国連安保理武力行使容認決議のタイムリミットは91年1月15日だったが、空爆は同月17日午前2時(現地時間)過ぎに始まった。今回は国防総省当局者らの情報から「早ければ(米東部時間の)19日中」との見方が米メディアの間に強く、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙は猶予期限前の軍事行動着手の可能性にも言及している。
しかし、デッドライン直後の攻撃開始には時間的な制約から懐疑的な専門家も少なくない。例えば、現地時間午前4時から巡航ミサイル「トマホーク」による攻撃を開始した場合、ペルシャ湾や紅海上の米艦船からバグダッドにミサイルが着弾するまでに1時間余りの時間がかかるため、デッドラインを厳守すれば実際の攻撃は早朝にずれ込んでしまう。戦闘爆撃機も含め、明るくなってからの作戦行動は不利になりかねない。
このため、次の夜まで十数時間の間を置くか、逆に猶予期限前に“見切り発車”する可能性が指摘されている。ロイター通信によると、ペルシャ湾に展開する米海軍第5艦隊の幹部は19日、空母エイブラハム・リンカーンの乗組員に「2日以内」の開戦を示唆した。
また、21日は金曜日でイスラム教徒の休日に当たるため、攻撃開始は20日でなければ22日と予想する声もある。月は現在、満月から欠け始めた状態で、暗い方が作戦上好ましいという事情もあるという。
一方、CNNテレビによると、バスラ西部の油田がイラク軍兵士によって破壊されたとの情報がある。非常事態を阻止するために米英軍が期限前に作戦行動を開始する公算も大きい。
●バグダッドは曇り
気象情報によると、19日のバグダッドの天気は曇りで最高気温は23度、最低は10度。日の出は午前6時9分、日の入りは午後6時13分。(毎日新聞)
テレビによると開戦予告10時(日本時間)開戦はクウェートの猛烈な砂嵐に阻まれ、開戦はさらに24〜48時間後の金曜日以降になるらしいとのニュースも流れている。しかし具体的な軍事遂行は各拠点の司令官に一任されており、バスラへの攻撃が始まったとの未確認情報もある。戦闘機による空爆と艦隊によるミサイルの一斉攻撃をもって実質的な開戦とするなら、砂嵐がおさまった時点での総攻撃が予想されよう。イラク開戦を前に、末期癌で危篤状態に陥った母を思い出していた。医師から数日の余命と絶望視されていた母が、その後10日間以上を生き抜いた奇跡のことを・・・最後の最後まで母の強靭な心臓が動きつづけていたことを・・・その心臓の鼓動がいま、人類の平和への祈りの鼓動とダブっている。決して諦めてはいけないこと・・・それが平和なんだと・・・11時現在、快晴。
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