03/01/22 (水)
みずほ、増資1兆円規模に 不良債権処理損膨らみ2兆円
 みずほフィナンシャルグループは21日、政府の不良債権処理の加速方針に伴い、03年3月期の不良債権処理の損失額が見通しの倍の約2兆円に膨らむ、と発表した。当期赤字も予想を大きく上回る1兆9500億円となることから、財務体質の強化のために検討していた増資の規模は最終的に1兆円程度に引き上げる方針だ。
 金融庁の資産査定の厳格化方針が具体化されたのを受け、みずほは不良債権のうち貸し出し条件を緩めている「要管理先」企業への融資に対する貸し倒れ引当金を大幅に積み増す。また、再生の可能性がある企業については、債務免除などを柱とする支援策のとりまとめを急いでおり、この結果、今期の不良債権処理損は昨年11月時点での見通しの2倍になるという。3月期の当期赤字は予想の2200億円から大幅に拡大する。資本が目減りし、経営の健全性を示す自己資本比率が10%を大きく割り込む事態を避けるため、今期中に日本企業としては過去最大級となる1兆円規模の増資を目指すことにした。議決権はないが優先的に配当が受けられる優先株を発行し、第一生命保険など親密な取引先や海外の機関投資家などに購入を要請する。大手各行は政府の不良債権処理の加速方針に対応するため増資を検討しており、すでに三井住友フィナンシャルグループが米大手投資銀行を引受先とする1503億円の増資を表明している。
 みずほの不良債権損失と業績予想は・・・以下
不良債権損失額 業績予想
2002年 5月 6000億円 2100億円
同年 11月 1兆0400億円 -2200億円
2003年 1月末 約2兆0000億円 -2兆0000億円
 みずほの前田社長は「不良債権処理はやってもやっても新規が出てくる」と、今回の穴埋め増資を弁明している。しかし、これら取引先企業に出費させる苦肉の策は「株の持ち合い解消」に逆行するものであり、借金を優良企業の増資で穴埋めしても借金が広く分散したにすぎない。これによってみずほの自己資本比率が確保されても一時的なものであることは云うまでもない。年々拡大する穴から漏れ出る損失を塞ぎきれない巨大な「みずほ」という船は、増資という応急処理で自己資本比率を辛うじて確保したまま大海原に出ようとしているようだ。「結果よければ全てよし」とする金融経済財政の竹中大臣も、これら銀行の一時的かつ短期的な結果のみを評価しているようだ。また前田社長は「債務免除が発生したから経営者の責任だと、あまり強く言い過ぎると銀行の経営が出来なくなる」と云っているが、これは全く逆で、バブル経済膨張期に「行け行けドンドン」を指導した当時の経営者食い逃げを追求せずして、沈没寸前の船を維持しようとしているところに問題があるのだと・・・それを銀行の現経営者がその穴埋めに必死になっているわけだが、それと同時に当時の経営者の責任を厳しく問う権限も現経営者にはあるはずなのだ。それをしっかりやってこそ預金者も安心して銀行にカネを預けられるというものだろうし、銀行はあくまでも個々の預金者のカネをあずかる一時保管場所にすぎないという、謙虚さが欠けてはしないだろうか?

 正午頃、隣の奥さんから「猫が車に轢かれたようだ」との連絡を受ける。猫が轢かれるたびに私が呼び出される。詳しくは「れいんぼう」貧乏克服日記にて・・・
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