へそ曲がりの所以か、大晦日恒例の紅白歌合戦は毎年観ないことにしている。昨夜は地元の友人から「北朝鮮は日本にミサイルを撃ち込むのかどうか?」との電話あり、言葉を濁しておいた。んで、次のニュース・・・
北朝鮮の万景峰号入港停止など制裁案浮上 政府・与党
北朝鮮の貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」の日本への入港停止と、北朝鮮への送金停止を柱とする北朝鮮対策が、政府・与党内で浮上してきた。北朝鮮の核開発問題などの展開によっては制裁措置として使うほか、日朝国交正常化交渉の膠着(こうちゃく)状態を打開する新たな外交カードにしようとの狙いだ。実現には法改正が必要だが、議員立法で対応する考えが強まっている。日本政府内では、98年に北朝鮮が弾道ミサイル「テポドン」を発射した際も、制裁措置が議論された。だが、法改正論議は自民党外交部会の段階で立ち消えになった。
今回は自民党の河野太郎衆院議員、山本一太参院議員らが議員立法の準備を進め、安倍晋三官房副長官も議員立法の動きに理解を示している。万景峰号は、年20〜30回往来し、在日朝鮮人の祖国訪問や物資輸送に利用されている。対日工作や現金の輸送にも使われているという指摘もあり、与党などに国や新潟県に停止を求める声が強まっていた。しかし、関税法に基づき「開港」とされている新潟港への入港を阻止することは難しく、政府は積み荷検査の厳格化などの検討を表明するにとどまっていた。安全保障上の理由で特定の船の入港を停止できるような条文を港湾法に加える方向で調整が続いている。一方、送金停止については安倍副長官が、昨年9月下旬に採択された国連安保理決議1373(テロリストに対する資金供与の防止)を根拠とすれば、現行法でも日本単独での停止に踏み切れるとの判断を示した。しかし、そのケースでも送金先をテロリストと特定することが必要になる。このため、安全保障上の理由で送金停止を可能にする外為法改正案が検討されている。政府内では「制裁手段があれば、譲歩を引き出すために制裁を解除していくといったカードになるが、日本にはそれがない」(政府関係者)との不満がある。一方、日本には北朝鮮に親類を持つ関係者が多いことなどから、政府・与党には慎重論も少なくない。
以前から述べているように、確かに万景峰号の入港停止処置は北朝鮮にダメージを与えることが出来るだろう。問題なのはそれを日本が日朝国交正常化のための外交カードに使おうとする安易のことである。北朝鮮が「お願いだからそれだけは勘弁してください」と譲歩してくるとは考えにくい。まして現時点においてさえ北朝鮮がIAEA査察官に国外退去を通告したばかりではないか。入港停止処置をとるには時期が悪いのだ。ここは北朝鮮とアメリカの核問題を見据えながら慎重かつ段階的な規制処理をしていかないと、金正日の見境のない怒りに油を注ぐようなものとなりかねない。つまり日本は臨戦体制を覚悟の危険な選択を迫られているということだ。最初に制裁手段ありきでは「譲歩を引き出すために制裁を解除していくといったカード」も逆効果となるだろう。万景峰号のチェックはもっと早くから、段階的にやっておくべきだったのだ。昨日の時点でも「アメリカは北朝鮮に向けて最大限の経済的、政治的圧力を加えていく構え」とのニュースが流れたばかりだ。北朝鮮に核開発を放棄させるためとはいうが、実際には金王朝崩壊を視野においた兵糧攻めであろう。金正日の暴発を期待しての誘導作戦と言い換えてもいい。すでに北朝鮮はいつ暴発してもおかしくはない危険水域に突入してしまった。ここで日本が万景峰号の入港停止の強行処置をとれば、金正日暴発の矛先が日本に向けられることは間違いない。その矛先がミサイルであったとしても不思議はあるまい。
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