午前9時ごろ、従兄から電話がきた。彼は数年前に脳幹破裂で体が麻痺、リハビリを経て何とか歩けるようになった。もっとも人の介添えなしには歩けないのだが、奇跡的な回復であることは確かだ。その従兄が今度は膀胱の手術を受けるのだという。尿管に障害が出ているとのことだ。危険な手術になるだろう。彼は高度成長期に私の父の一番弟子として仕事を覚え、やがて独立して当時の業界では知らぬ人がいないくらい頑張ってきた。財産地位ともに手に入れ、その頂点で脳幹が破裂した・・・無理が祟ったのだった。私の父同様、従兄もまた業界の伝説の人と成りつつある。横浜の何処かの公園には、私の父の名前を刻んだ慰霊碑あるはずだ。業界に貢献した経営者として・・・名誉なことではある。私には父のような名誉は要らない。むしろ不名誉な誹りを受けている現在においては、自己の内なる価値観を模索することでしか生き甲斐を保てなくなった。名誉もカネも要らない、墓にしても私には必要ない。ただ死ぬ瞬間に『ああ面白かった』と、強がりを云ってみたい。そんな私を従兄だけが逞しい精神力があると言ってくれている。本心から云えば、逞しいどころではない挫折の渦中で悩む自分がいるばかりなのだが・・・私の欠点悪癖を全て知り尽くしている従兄だけに、その褒め言葉には元気付けられている。そう言ってくれる人がいるかぎり、私はまだ頑張れるような気になるのだ。その従兄が命にかかわる危険な手術に挑もうとしている。死んでほしくない・・・あれだけ仕事に賭け、頑張ってきた彼なのだから今度も乗り切れるはずだと、思い込みたい。彼や父のように死に物狂いで働いてきた経営者には私は成れないが、死に物狂いで守るに値する何かが少し見えてきたようには感じている。それは形にできない、丸でも三角でもない見えないものであり、有るようで無いような捉えどころのない心のようなものに違いない。生活することで精一杯の現時点では人が殺されようが、誰が病気で苦しもうが知ったことではない、とする世相にあって、私はその逆の道をあえて選びたい。私にとっての起死回生とは、そんな世相を逆手にとることだ。みんなが上を目指しているなら下をみる、みんなが右に行くなら左に寄り道する。変人と云われる所以である。自分の道を歩き出すにはそうした心の軌道修正が絶対に必要だ、と自分では思っている。
【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代
拉致疑惑・明かされる新事実
■21:00-21:54 テレビ朝日 たけしのTVタックル
警告…海外旅行の危険対米テロの巻き添え&拉致監禁&(秘)麻薬組織&航空事故
■21:54-23:00 テレビ朝日 ニュースステーション
日本の大銀行の実態はどうなのか?竹中チームで注目、木村剛氏生出演▽さらなる拉致疑惑事件(03)松本京子さんのケース
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