02/10/13 (日)
 竹中金融相のインフレターゲット導入はのっけから株安で出鼻を挫かれた恰好になった。幸先が悪いというか、波乱含みを予兆させる船出である。今回の株安は銀行が持ち合い株を大量に売ったためではないか?と囁かれているが、これは銀行の含み損をくい止めるための苦肉の策と思われる。去年3月時点で3277億円であった含み損も、今年9月時点では5兆円にも膨れ上がってしまっている。これに日本銀行は銀行の持ち合い株を買い取るという禁じ手をあえて敢行、1年で2兆円規模の予算を用意しながら公的資金の導入も視野に入れている。これほどまでして銀行の救済を推し進めながら、日本政府はこれからさらに深刻化するであろう失業など国民の生活に直結する問題にはあまり触れていない。
 元はといえばバブル崩壊の責任は銀行にあったはずである。地上げ屋を使った土地の買い漁りに膨大な融資を投入してはぼろ儲けを図り、1990年における金融引締め政策によって一転してバブル経済が崩壊した。これよって土地や株が暴落して不良債権が爆発的に増加、1999年3月には銀行15行に7兆4592億円の公的資金が投入された。この時、柳澤伯夫金融担当相は何と言ったか・・・「不良債権という場合に銀行サイドを考えると、一応引当金を十分につめばそれで終わりです」と言ったのだ。ところが衆知のとおり、実際には終わりどころではなかった。それどころか不良債権処理の先延ばしで、さらに不良債権はのっぴきならぬところまで来ていた。銀行は海外業務の命綱、BIS規制8%を維持しようとして貸し倒れ引当金を縮小し、貸し渋りをしながら現金を補充しようと必死になった。あげくは不安な融資先でも正常とみなして不良債権の自己査定を甘くした。こうした粉飾工作は柳澤金融相も知っていたはずである。知っていながら黙認した。
 少なくとも1990年の初頭における不良債権処理の段階で、銀行が自己査定を粉飾することなく手を打っていれば、今のような悲惨な状況とはならなかったはずだ。何より日本政府から銀行の責任問題が殆ど聞かれないのはどうしたわけか?日本国民を塗炭の生活苦に追いやったことの責任はどうするのか?その国民の血税をもってまたもや銀行を救済しようとするのは泥棒に追い銭でしかないと思われるのだが・・・
キジー島の木造教会【視聴予定】
■17:30-18:00 TBSテレビ 報道特集 恐怖の連続DVから逃避▽最北の街の弁護士
■21:00-21:50 NHK総合 スペシャル「自動車大国への道」 ▽小さな部品から巨大産業を築く▽中国独自の国家戦略
■23:00-23:30 テレビ朝日 地球号 フクロウの森エチオピア
■24:25-25:20 日本テレビ ドキュメント'02 密着山岳救助隊
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