02/09/19 (木)
 どうやら今度の日朝首脳会談はロシアがお膳立てしていたようだ。ロシアの思惑はシベリア鉄道と北朝鮮の鉄道を連結することにあり、そのために北朝鮮が日本に対し譲歩するよう促す。ロシアと北朝鮮の鉄道連結に伴う工事費用を日本から引き出すため、不審船を自国北朝鮮のスパイ船だったことを認め、日本人拉致事件が北朝鮮軍部の逸脱行為であったことを告白謝罪する。全てはロシアと北朝鮮の国益が一致すればこその譲歩であった。先月23日、ウラジオストクで開かれたロ朝首脳会談にはロシアの鉄道相とエネルギー相も同行、プーチン大統領は「横断鉄道は中国を走り、ロシアには貨物は走らない。わがロシアが新たな鉄道を作るべきだ」として内外に訴えている。この時、プーチン大統領と金正日総書記による非公式会談では実務レベルでの対話が成されたと思われる。つまり、鉄道建設にかかる膨大な建設費用はどうするか?それには日本を誘い込む必要がある。モスクワからハバロフスク、ウラジオストク、そこから北朝鮮の元山から韓国の釜山に抜ける鉄道が完成すれば一大物流システムが出来る。ロシア外務省アジア局長のゲオルギー・テロラヤ氏によれば「今月5日には小泉総理とプーチン大統領の電話による話し合いが行われた」という。日朝首脳会談の13日も前に、いったい何が話し合われたのか?小泉総理はそれを当事者として当然知っている。表向きはアジア諸国の関係改善と展望ということになっているが、実際には日朝首脳会談での北朝鮮による譲歩のことであろう。これで日本における小泉総理の人気株は上がり、しいては外務省も高く評価され一連の不祥事も払拭される。だが、肝心のロシアと北朝鮮の鉄道連結による日本資金の誘い込みという画策は知らされない。それが「日朝平壌宣言」での「無償資金協力実施の協議」というかたちで盛り込まれた。日本を食いものにした日朝首脳会談はこうして終わり、意気揚揚と帰国した小泉総理に待っていたのは日本人拉致事件の被害者家族たちの失望と抗議の声であったとは・・・小泉総理の目論みは彼の人間性欠落という疾患によって見事に外れた。プーチンと金正日の高笑いが聞こえるようではないか。
【参考】朝鮮半島南北縦断鉄道の現状と課題

 シベリア鉄道の延長計画で問題となりそうなのがハバロフスク地区で、中国とロシアの国境沿いにある黒龍江(ロシア側アムール河)の中洲を巡って互いに領土権を主張している。ロシアが「大ウスリスキイ島」と呼び、中国が「黒瞎島」ヘイシアーツと呼ぶところの長さ約40キロの島が争点となっている。【地図参照】 ロシアが中国側の主張を認めれば、ハバロフスクとそれに付随するシベリア鉄道との目と鼻の先で監視されることになり、これは譲れないところだろう。ハバロフスクはロシア極東軍管区の司令部がある所でもあり、軍事的にも甚だ都合の悪いことになろう。これから実務派プーチンの手腕が試される場面になる。

【視聴予定】
■19:30-20:00 NHK総合 クローズアップ現代 東電・隠された原発トラブル
■21:15-22:00 NHK総合 にんげんドキュメント「アイガモ家族の夏」 ヒナの誕生▽天敵との戦い▽アイガモ農家の父娘
■22:00-23:00 テレビ朝日 ニュースステーション 猛批判の中…日朝正常化交渉の行方▽社員 VS 会社…特許めぐる判決は▽キーワードは”お年寄り”温泉旅館生き残り作戦 

■23:00-23:55 日本テレビ 出来事 イネでも遺伝子組み換え? 
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